皆様、こんにちは。最近、キッチンの流し台でプリズナー・トレーニング(※巷で話題の囚人の筋トレ)に余念がないポーランドの地方在住主婦です。流し台は斜め腕立て伏せに最適ですよ。鍋が煮立つまでの間、上半身のトレーニングはいかがでしょうか。
さて今回ご紹介するのは、アメリカで人気の高いCrab Cake(クラブケーキ)の作り方です。『ケーキ』というと、チーズケーキやチョコレートケーキなど「甘いもの」を連想しますが、オックスフォード英英辞典によりますと
「焼く、もしくは揚げた、丸くて風味豊かな食べ物」の総称
とのこと。「パンケーキ」が代表例ですね。
クラブケーキも、カニ肉を使った揚げ物料理の一つです。
アメリカといえば、アーノルド・シュワルツネッガーやヴィン・ディーゼルのようなマッチョな有名人の影響で、分厚い牛肉ステーキを好むイメージがありますが、場所によっては、シーフードの方が人気があります。
たとえば、アメリカ西海岸のサンディエゴ。トム・クルーズの出世作『トップガン』の舞台にもなった海軍の町で、湾内の桟橋には日本の横須賀港にも駐留していたアメリカ空母ミッドウェイが『ミッドウェイ博物館』として展示され、連日大勢の観光客で賑わっています。
By Official Navy Page from United States of America
MC2(AW/SW/EXW) Roland Franklin/Fleet Combat Camera Group Pacifi/MC2(AW/SW/EXW) Roland A. Frankli – The Blue Angels fly over San Diego Harbor., Public Domain, Link
ベイエリアにはたくさんのシーフードレストランが建ち並び、牡蠣、ロブスター、サーモン、エビ、イカ、貝類、SUSHI(寿司)、SASHIMI(刺身)など、メニューも豊富。カニ料理も大人気で、スチーム、グリル、チャウダー、焼き飯、サラダなど、いろんな種類があります。
わけてもアメリカらしいのがクラブケーキ。カニ肉に卵や調味料を混ぜ合わせ、パン粉をまぶし、バターで香ばしく焼いた料理です。興味のある方はぜひトライして下さい。
【1】クラブケーキの作り方
(1)Chef John’s Crab Cakes(シェフ・ジョンのクラブケーキ)
今回、参考にしたのは、アメリカの料理サイト『allrecipes』の人気レシピ『Chef John’s Crab Cakes(シェフ・ジョンのクラブケーキ)』です。
【材料】
・8 saltine crackers, finely crushed(塩味クラッカー 8枚を細かく砕く)
・2 tablespoons mayonnaise (マヨネーズ 大さじ2杯)
・1/2 teaspoon Dijon mustard (ディジョンマスタード 小さじ1/2杯。いわゆる「練りからし」)
・1/2 teaspoon seafood seasoning (such as Old Bay(R)) (シーフード調味料 小さじ1/2杯)
※ Old Bayはマコーミック社のブランド品です。日本では「オールドベイ・シーズニング」で知られ、輸入食材として入手可能です。https://amzn.to/2PhEPMn
・1/4 teaspoon Worcestershire sauce (ウスターソース 小さじ1/4杯)
・1 egg, beaten (卵1個)
・salt to taste (塩 少々)
・1 pinch cayenne pepper (optional) (カイエンペッパー。日本では「鷹の爪」で知られています)
・1 pound fresh crabmeat, well drained
(カニ肉 1ポンド=約450グラム。しっかり水洗いしたもの)
・1/4 cup dry bread crumbs (パン粉 1/4カップ)
・2 tablespoons butter (バター 大さじ2杯)
調味料は好みでアレンジして下さい。
次のようなものが組み合わせ可能です。
・ レモン汁
・ パセリ
・ 青ネギ
・ ガーリック
作り方の動画はこちら。
1)ボウルにつなぎとなるクラッカー、卵、調味料を入れて、軽く混ぜ合わせます。
2)細かく刻んだカニ肉を加え、しっかり混ぜ合わせます。粘りが出たら、冷蔵庫で一時間ほど休ませます。
3)平べったいケーキ状に整え、表面にパン粉をまぶします。
4)フライパンにたっぷりのバターを溶かし、ケーキ表面をぱりっと焼けばできあがりです。
(2)調理の実際
筆者は東欧の内陸部に居住しており、新鮮なカニ肉は入手不可なので、カニカマ500グラムで代用します。クラッカーは市販の塩味です。
マヨネーズは「majonez na miodzie」ハチミツ入りです。ポーランドはハチミツの名産地なので、ハチミツ入りの食品が多いです。ほんのり甘みがあります。
動画と同じく、砕いたクラッカーに調味料を加えて、へらで混ぜ合わせます。
細かく刻んだカニカマ(カニ肉)を入れ、粘りが出るまで、しっかり練り合わせます。
粘りが出て、材料が落ち着いてきたら、冷蔵庫で1時間ほど寝かせます。
ネタは小判状に整え、軽くパン粉をまぶして、たっぷりのバターで焼きます。日本の市販のパン粉だと、もう少し粗い感じになると思います。かりっと焼けたら、ソースやマヨネーズとからめてどうぞ。そのままでも美味しいですよ。
【2】クラブケーキのQ&A
Q. つなぎに小麦粉は必要ですか?
A. 私が作った印象では、カニ肉(カニカマ)から粘りが出るので、卵とクラッカーだけで十分だと思います。練り合わせている時は、少しポロポロして、頼りない感じですが、フライパンで焼けば、すぐに卵が固まり、案外、きれいにまとまります。
Q. サラダ油で焼いてもいいですか?
A. サラダ油でも問題ないですが、味は落ちると思います。バターの香ばしさが決め手の料理なので、なるべくバターを使った方がいいです。
Q. カニ鍋の残りを使ってもいいですか?
A. カニ鍋の風味にもよりますが、洋風調味料の代わりに少量の醤油を使う手もあります。私も粘り気を出す為に少量の醤油を使いましたが、醤油+バター風味も悪くはないです。
Q. カニ肉が少量しかありません
カニ肉が不足していれば、カニカマ、もしくはカニ缶と混ぜ合わせてもOK。
例えば『カニの浜海道』のズワイガニ脚ポーションなら解凍後すぐ料理に使えるので便利です。カニ肉ハンバーグの要領で作ってみて下さい。
Q. 他にどんな作り方がありますか?
A. 下記のサイトが参考になります。
材料はだいたい同じ、カニ肉、卵、マヨネーズ、ウスターソース、レモン果汁、といったところです。
・Baltimore-Style Crab Cakes(バルチモア風クラブケーキ)<動画あり>
こちらはカニ肉をぶつ切りにして、サクサク感をアップ。上質なカニ肉があれば、こういう作り方の方が美味しいと思います。
・Spicy Crab Cakes with Mango Puree (スパイシー・クラブケーキ マンゴーソース添え)
こちらはブレンダーを使ってマンゴーをペースト状にし、チリソースを小さじ一杯加え、ぴりっとしたソースにするオリエンタル風レシピです。
クラブケーキの表面に小麦粉と卵液を付け、日本製のパン粉をまぶして、ディープフライとして調理するのがポイント。味付けには、チャイブ(青ネギの一種)、ライムジュース、ハチミツ、マヨネーズを使います。
【3】その他のクラブケーキ
余談ですが、クラブケーキは他国にもあります。ここではフランスのレシピを紹介します。
こちらはフランスのクラブケーキ。ケーキというよりは、Crouquette(クロケット)ですね。
カニ肉の他に、刻み玉ねぎ、青ネギ、モツァレラチーズ、ライムジュースなどを使います。
・Croquettes de crabe à la catalane
こちらは意識高い系レシピ、カニのタルトです。カニ肉の他、白チーズ、ミルク、玉ねぎを混ぜ合わせ、タルトにはパン生地を使います。グラタン風ですね。
こちらはイタリアのクラブケーキ。カニ=granchio(グランキオ) です。
・Tortino di granchio
こちらはカニ肉の他、エビの缶詰、パルメザンチーズ、卵、パセリなどを使います。
エビ風味にパルメザンチーズが利いて、いかにもイタリアンな作りです。
ちなみに、イタリアにはカニを丸ごと使ったカニパスタもあるんですよ。美味しそうですね!
・Spaghetti al granchio