Wikipediaより
その昔、子供の頃ですけど、河口あたりで投げ釣りしていると手にモッサモサの毛が生えたカニが釣れることがありました。甲羅幅は10センチくらいでどうみても食べるところが少なそうで、その割に力が強くてはさみが怖いし、手の毛はブルーザー・ブロディの履いてたムフムフのブーツみたいなのでちょっとキモイし、汚くて美味しそうじゃないの。いつも逃がしてました。
んで、大人になると、これがモクズガニというカニだと分かりました。
モズクガニと思ってたヤツはおらんかえ〜
手にもずくが付いてるからモズクガニって思ってるヤツ、ぜったいいるはずだ。しかしモズクって国内生産のほとんどが沖縄なんだよ。江戸時代とかモズク食ってるわけないから。だからモズクガニっていう名前になるわけないのだ。地方では「ズガニ」っていうとこも多いです。
◎藻屑 ×モズク
でもって上海ガニは、チュウゴクモクズガニという親戚で、はやり手にモフモフが付いている。
やはりWikipediaより
一般の蟹様との大きな違い
んで、このモクズガニと、毛ガニやズワイガニなどとの一番大きな違いは
淡水のカニ
ってこと。汽水にもいるけど主に淡水。淡水のカニは居酒屋メニューにある沢ガニもそうなんだが、そもそも淡水の魚、鯉とか鮎とかと、海水のマグロとかサンマとかとは味に非常に大きな違いがある。昔、長野県出身の50代の友人が「子供の頃、魚と言えば鯉で、もう大嫌いになった。上京して初めて生サンマ食べて(笑)なんて美味いんだと思った」と申しておりましたが、淡水の水産物は味が淡泊です。
上海ガニもミソが濃厚とかいうけれど、毛ガニのミソと比べたら比較になりません。ミソの味はしますが、さっぱり系。ちなみにヤドカリ仲間のタラバ、花咲、ヤシガニ系はミソはほとんどなくてしかも生臭いので蟹ミソじゃないです。ヤドカリミソ。
では、このモクズガニどこで食べられるのかというと、生きたのは千葉の田舎の八百屋さんで買ったことがあります。www
一杯数百円くらい。淡水ガニですので、水から上げても全然死にません。めちゃ元気です。熱湯にぶち込んだら大暴れしそうなので水から茹でたら・・・・
足がもげまくり・・・
元気なカニはストレス感じると自分の足を切るのです。敵に襲われたら足を切って食わしておいて逃げる作戦。結果
こんな感じに茹であがりました。足がもげるとそこからミソとかが流れ出して味が落ちます。ミソしか食べるとこないですが、それほど美味くないです。んが・・・
伊豆の修善寺だと名川の狩野川の清流で獲れるモクズガニを料理して食べさせる店がいくつかあります。シーズンは秋。行きつけの店があるんだけど混むから書かない。こんな感じ
美味しいことは美味しいですが、さっぱり系です。毛ガニのミソとかと比較しちゃいけませんが、美味しいです。中国人観光客が日本に来て毛ガニを初めて食べて、
上海ガニと同じカニとは思えない
って叫んだという話を聞いたんですが、そもそも中国の内陸部では新鮮な魚介類は望むべくもなく、お金持ちになって思いっきり海産物を食べたいというのが夢なんだそうです。新宿のハマグリとかホッキの生貝を焼いて食べさせるお店では中国人観光客で一杯です。彼らが本当に毛ガニの味を知ったら・・・高騰して日本人は食べられなくなると思いますので急ぐのだ。