皆様、こんにちは。料理よりソースコードをいじるのが好きなポーランド地方都市在住の主婦です。
今回はポーランドの投稿レシピサイトを元に、カニ肉を使ったペンネ・アラビアータの作り方をご紹介します。一度作り方をマスターすれば、パスタ、リゾット、ピザソースなど、様々な料理にアレンジできるので、ぜひチャレンジして下さい。
【第1章】カニ肉入りトマトソースをアラビアータ風にする
【1】Mięso kraba w sosie pomidorowym z lubczykiem
今回、ご紹介するのは、Habibi & Catsさんの投稿レシピ、Mięso kraba w sosie pomidorowym z lubczykiem(ラベージで香り付けしたカニ肉入りトマトソース)です。
【オリジナルレシピ】
・赤色トマト 1㎏
トマトは大きく赤系、ピンク系に大別され、加工には赤色、生色にはピンクが適しているとされて います。
参照)
栄養学に学ぶ! 8月のトマトはココがスゴい!『みんなの家庭の医学』
・新玉ねぎ 2個
(皮の黄色い黄玉ねぎよりも水分量に富み、辛みが少ないのが特徴)
・ラベージ
セリ科の一種で、セロリに似た、ほろ苦い風味をもつ。スープやサラダの香り付けに
・なたね油
・トマトペースト 大さじ2~3杯
・カニ肉 2きれ
・砂糖
・レモン汁
・粉末の白こしょう
【2】アラビアータ風にする
上記のレシピ通りに作っても、うちの子は食べないと思うので、唐辛子とパプリカパウダーを加えて、アラビアータ風にします。
今回、参考にしたのは、『オレンジページnet』 の片岡護先生のレシピです。
※ なお筆者の居住地ではカニが一般に流通していない為、カニカマで代用します。
【アレンジ】
・トマト 1㎏ (赤色・ピンク色をとわず)
・黄玉ねぎ 中2個(白玉ねぎなら、なおよい)
・バジル もしくは パセリ(ラベージの代用)
・カニ肉 お好みで(※筆者はカニカマで代用)
・ニンニク 1かけ
・乾燥唐辛子 少量
・パプリカパウダー 少量
・砂糖(ハチミツ)大さじ1杯
・塩、こしょう
・レモン汁 少量
・ワイン(赤ワイン、白ワイン、なければブランデー、ウイスキーなど)
・ローリエ、オールスパイス、オレガノなど
【第2章】手作りトマトソースはこんなに簡単
【1】材料
一般にトマトソースのレシピには「トマトの水煮缶」が使われますが、生のトマトをすりおろしても美味しくできます。セール品、そろそろ賞味ぎれ、味がいまいち、など、ハズレのトマトを再利用できるのがポイント。うちは買い置きしたトマトの使い道に困ると、トマトソースにして、パスタやスープに利用しています。
ただし、トマトだけでレストランの味を出すのは難しいので、補助的にトマトペーストを用います。酸味が強すぎて、味がうまく馴染まない時は、砂糖を多めにして調節。ワインやブランデーなど、お酒を足せば、味がぐっと引き立ちます。
それからハーブを忘れずに。バジル、オレガノ、オールスパイスなど、ささっと振りかけるだけで、いつもの料理が格段に違いますよ。できれば本物のハーブを使うことをおすすめします。
香り付けには、パプリカ、チリパウダー、乾燥唐辛子など、赤系のスパイスを使います。小さなお子さんがいらっしゃる場合は、唐辛子は避け、パプリカパウダーをさっと振る程度にしましょう。もちろん、パプリカや唐辛子を使わなくてもOKです。
ポーランドでは、「甘いパプリカ(Papryka łodka)」「辛いパプリカ(Papryka ostra)」の二種類があり、ほんのり香り付けする時は甘いパプリカ、刺激が欲しい時は辛いパプリカを使い分けます。さらにピリ辛いチリパウダーもあります。
カニ、エビ、魚介類など、洋風に調理する時は、香り付けと彩りにパプリカが使われることが多いです。
トマト料理に欠かせないのが、ワイン。
材料によって白ワインと赤ワインを使い分けるのが通ですが、ここでは贈答品のロシア製のお酒を使います。中身が何か分からなくて(ブランデー?)、妙に甘いため、いまいち好きになれず、もっぱら料理に使っています。ちなみにポーランドではよく自家製のお酒を贈答に頂きます。それを市販の空きボトルに詰めてこられるので、しまいに、どれがどれか、分からなくなるんですね^^;
私が住んでいる東欧の内陸部では、生鮮のカニ肉が一般に流通していません。手に入るものといえば、surimi(スリミ)と呼ばれるカニカマ、もしくは酢漬けのパック詰めぐらいです。ここではカニ肉の代わりに、カニカマを使用します。
【2】煮込む
ニンニクはスライス、玉ねぎはみじん切りにし、鍋に大さじ2杯ほどの調味油をひいて、ニンニクの香りだしをします。ニンニクが黄金色になり、香りがついたら、玉ねぎを加えてしっかり炒めます。玉ねぎは芯までしっかり火を通し、甘みを出すようにして下さい。
玉ねぎがしんなりしたら、フライパンの上でトマトをすりおろします。この際、半切りにしておくと、おろし金でおろしやすいです。
ちなみに「鍋の上で直接トマトをすりおろす技」は、”ラクうまおかず”で有名な奥薗壽子先生の著書で紹介されていたものです。それまで生真面目に湯煎していた私には目からうろこのスーパー手抜きテクでした。すりおろしたトマトは木べらで潰すと、ほとんど形も残りません。
ぐつぐつしてきたら、トマトペーストとカニ肉(カニカマ)を加え、砂糖(ハチミツ)大さじ一杯と塩こしょうで味を整えます。さらにローリエ、オールスパイス、バジル、オレガノ、酒(赤ワインなど)を加えて、水気を飛ばすように、じっくり煮込みます。
トマトの酸味によって、味の出方もまちまちなので、適宜、塩、砂糖、洋風スープの素などで調整して下さい。
トマトからしみだした水分量にもよりますが、ソース状になるまで、およそ30分。水気が飛んで、好みの味に仕上がったら、ペンネにからめて頂きます。パルメザンチーズをトッピングに添えると、おいしさがアップしますよ。
【第3章】カニ肉入りトマトソースのアレンジ
【1】シーフードミックスをあえる
オリジナルレシピではカニ肉を使いますが、カニカマ、エビ、イカで代用しても美味しいし、カニ肉+シーフードミックスで、海鮮風味をアップするのもおすすめです。
カニ肉は、生鮮、冷凍、かに缶など、形態を問いませんので、残り物の再利用にも最適。カニ肉が足りない時は、カニカマやその他のシーフードで補うことも可能です。
パスタにするなら食感がしっかりしたタラバ脚はいかがでしょう。『匠本舗』の特大タラバガニをお正月に頼めば、おせちに飽きたら贅沢にカニパスタ・・なんてこともできちゃいます。
いろいろアレンジして、自分流のレシピをクリエイトして下さい。
【2】ピザソースにする
ペンネやパスタにからめてみたけど、いまいち不評で、トマトソースが余った場合は、ピザソースに転じましょう。さらに煮詰めて、水気を飛ばせば、ピザパンやトーストにも使えます。その際、トマトペーストを追加してもいいですね。とろけるチーズをたっぷりのせて、オーブンで焼けば、簡単朝食やランチに早変わりです。
【3】リゾットにする
フライパンにリゾット米を炒め、水気の多い状態でトマトソースを加えて煮込めば、リゾットにもなります。もう一歩、コクが欲しい場合は、スープの素で味を調整して下さい。
【4】時短は玉ねぎ抜き+トマト水煮缶で
ゆっくり調理する時間がない時は、玉ねぎ無し、トマト水煮缶を使えば、15分ぐらいでできます。ペンネやパスタを茹でながらソースが作れるので、お手軽ディナーやランチに最適です。
【第4章】終わりに
「手作りトマトソース」といえば、たいそうな感じがしますが、要はトマトをすりおろして、水気が無くなるまで煮込むだけ。そこに肉や魚や野菜を追加し、ボロネーズにしたり、アラビアータにしたり、好みの味に仕上げるだけです。水煮の缶詰を使っても簡単にできますが、生トマトをすりおろして作るトマトソースも格別です。
カニ肉をはじめ、シーフードとの相性も抜群なので、ぜひお試し下さい。